
長期投資家のバイブル、会社四季報。
これにお世話になっている投資家は非常に多い。
また、使ってみたいが難しくてどう使っていいかわからないという人も多いだろう。
結果を出している多くの投資家が四季報を使っているが、四季報を使えば儲けられるわけではない。
大事なのは得られる情報から何を考えるか、どう分析するかである。
だがファンダメンタル分析などそれだけで専門家を名乗れてしまうほど奥が深い。
当然一朝一夕で身につくものではない。
四季報を使いこなすには継続してファンダメンタル分析の勉強が必要だが、初心者には初心者なりの使い方というものがある。
今回はファンダメンタル分析など1mmも知らなくても四季報が使える、超初級編を紹介しようと思う。

ひとたび四季報を開くとそこには企業の情報が信じられないくらい小さい文字で信じられない量詰め込まれている。
中には株主や役員の名前など、そんなものを当てに株を買うやつがいるのかいうような情報まである。
ちなみに私はその株主、役員名簿以外はほぼすべて目を通している。
したがって私が四季報を読み終えるには短くても1週間程度かかるのだが、業績がどうだとかキャッシュフローがどうだとか言ってもなかなかすぐに理解できるものではない。
投資は一生付き合うものである。少しずつ理解できる項目が増えていけば良いのである。
さて、今回私がおすすめする四季報活用術はファンダメンタルなど1mmも知らないという人向けである。
そんなあなたはまず四季報の端のここに注目してほしい。

ページの端にあるここ。

ここである。
四季報の記者曰く、決算は会社によって特色が出るそうだ。
あなたが会社の社長だったとしたら今期の業績予想を記者に尋ねられたらどのように答えるだろうか。
当然会社としては多くの人に株を買ってもらいたい。
「今期は好調ですよ!」とアピールすれば株を買ってくれる人は増えるだろう。
だが予想より決算が期待外れであれば投資家はあっという間に去っていく。
それなら実際の業績より少し少なめに言ったほうがいいのではないか…
今期の業績予想が100万円と出ていてもそれを正直に言う企業もあれば強含んで120万と言う企業もある。
反対に謙虚に80万円ですという企業もある。
このように業績予想ひとつとっても企業に差が出るのだ。
この小さく刷られた会社比弱気という文字は、毎月のように会社に出向き、何年も取材を積み重ねていくことで四季報が得た会社の傾向なのである。
ではこの情報をいかに活かすかを考えてみよう。

会社比弱気ということは会社側は今期の利益を200万円と見積もっているが四季報としてはおそらくそれ以下だと思いますよということである。
四季報の予想は四季報を買わなければ見ることはできない。
だが企業の業績予想は公開されている。
つまりこの企業の株を買う人は今期の利益は200万だと思って買うわけである。
四季報が弱気だと書いているということはこの会社は強気の業績予想を出しがちであるということを意味している。
つまり業績予想に届かない可能性が他の企業より高いということだ。
200万円だと発表されていた業績予想が実際には150万円でしたと発表されたら市場はどのように反応するだろうか。
期待に届かなかった。思ったより儲かっていないと200万を当てにしていた投資家たちは一斉に売りを入れる。
これが決算で株価が暴落する正体である。
つまり会社比弱気の銘柄は決算発表と同時に暴落する可能性が他社より高いということを意味しているのである。

これが今度は逆に会社比強気であったらどうだろう。
会社比強気とは会社の発表より業績がいいと思いますということだ。
つまりこの会社は業績予想を実際より少なく見積もって発表する傾向があるということである。
会社の予想が200万だった。だが実際の業績は350万円だった。
思ったより好調だぞ。
それだけの業績でこの株価なら安いぞ!
といった具合に決算発表と同時に買いが集まりやすくなる。
つまり、さっきとは逆に他社と比べ、暴騰する可能性が高くなのである。
暴騰しやすい会社と暴落しやすい会社。あなたはどちらの株を買いたいだろうか。
決算日が近づいたら会社比強気の銘柄の株価をチェックしてみよう。
もし割安で放置されている銘柄があれば決算発表と同時の暴騰が期待できる。