エーザイは神経系、消化器系に強みを持つ製薬会社。
一般的な商品では第3類医薬品のチョコラBBなどが有名。
今回の四季報4集を見た中で最も有望株と思われるのがこのエーザイである。
ファンダメンタル、テクニカル共に最優秀なので早速詳しく見てみよう。
ファンダメンタル分析
認知症薬治験中止も最高益【近況】
アメリカのバイオ医薬品会社、バイオジェンと共同開発していた認知症薬、アデュカヌマブの治験中止で株価は暴落した。
だが抗がん剤の「レンビマ」が国内外好調。
中国での転移性乳がん適応の抗がん剤承認取得など全体的に好調で連続最高益プラス増配と勢いに乗っている。
売上・営業・当期利益と堅調で死角なし

17年の決算から見ると売上・営業・経常・当期利益とすべて増益。
19年には最高益を記録し、20年の決算でも連続最高益が濃厚だ。
アデュカヌマブの治験中止では株価が暴落しており、ネガティブな印象があるが実際に業績をのぞいてみると絶好調である。
このように企業の印象、株価と業績は比例しないことが多々ある。
ファンダメンタル分析をしっかり行っているとこのようなお宝銘柄を超割安で買うことが出来る。
その他、総資産1兆円を超える大企業でありながらROEは10%超え。
配当利回りは3%と、私が紹介する銘柄の中では物足りないが、東証1部の平均配当利回りが2.00%であることを考えると十分な水準である。
詳しいファンダメンタル分析は四季報でテクニカル分析

1万円近辺で推移していた株価はアデュカヌマブの治験中止の発表とともに大暴落。
半値以下となった。
とても連続最高益の企業とは思えない。
またこの5000円の心理的節目は長きにわたり意識されており、強い支えとなっている。
暴落後、株価は緩やかに下降しているが5000円~6500円のレンジ内での持ち合いとみていいだろう。
通常持ち合いが続くと下か上かに大きく動くことになるが、連続最高益を記録するように業績そのものは非常に好調であることを考えると、下に大きく振れることは考えにくい。
ネガティブニュースの印象の悪さから割安のまま放置されているお宝銘柄と言っていいだろう。
短期投資にははっきりと向かない銘柄

暴落後の短期間で日足チャートを見ると株価はほぼ横ばい、緩やかに下降している。
短期投資の武器は資金の回転の速さである。
このように停滞した銘柄はいつ動き出すかは誰にもわからず、資金が死んでしまう。もっと値動きが活発に動く銘柄でないと短期での利ザヤ獲得は狙えない。
また緩やかに下降していることからロスカットの設定が難しい。
大底の5000円割れに設定するのが一番深いが短期の売買にしてはロスカットが深すぎる。
かといって直近安値の5200円割れでは心もとない。
下か上か、明確に動き出しが確認できてからエントリーするのが望ましいだろう。
テクニカル分析の勉強はこちらがおすすめ【4523】エーザイの総評
ファンダメンタルが優秀なのにも関わらず株価が安値で推移していると自分の分析が間違っているのかと不安になってしまうものだ。
A5ランクの和牛が外国産の牛肉と同じような値段で投げ売られていると「大丈夫な肉なのか」と不安になるだろう。
だがここ1年真剣にファンダメンタル分析を行ってみてはっきりわかったのは株価と業績は比例しないということである。
つまり株式市場ではしっかり探すとA5ランクの肉が100g,100円程度で売られていることがあるということだ。
エーザイはまさにA5の肉でありながら100g,100円で売られている肉である。
違うのは肉と違って痛まないことだ。
ワインと同じように寝かせれば寝かせるほど熟成され、値上がりする可能性が高い。
今期最もおすすめの銘柄だ。