JAC Recruitment(以後JACR)は外資、海外転職に強みを持った人材紹介会社である。
名前が似ているので間違われがちだが、転職で有名なリクルートホールディングス(6098)とは別の会社である。
今回は長期投資におすすめの銘柄ということでこのJACRの個別分析をしてみたいと思う。
ファンダメンタル分析
近況
本来海外に強みを持つ企業なのだが、その海外は採用見送りが相次ぎ苦戦しているようだ。
その代わり、人手不足の国内では人材紹介業が絶好調で最高純利益を更新している。
苦戦の海外では積極的に人材投資を行っている。
留学生を積極的に採用し、将来の海外支部幹部候補として育成している。
ROEが高い
まず注目すべきはROEの高さである。
ROEとは簡単に言うとどれだけ効率的にお金を稼げているかという指標である。
この数値が高ければ高いほどお金を効率よく稼げているということになる。
日本の平均ROEは10%前後、アメリカでも20%前後であるがJARCのROEは30%を超えている。
かなり効率的にお金を稼げているといえるだろう。
PERで見て割安
株価がどれくらい割安であるかを示す指標、PERは安値平均14.3、高値平均25.4というのに対し、19年12月の予想PERは16.8と割安と言える水準だ。
5年連続の増益予想

売上高・営業利益・経常利益・当期利益とすべて順調に伸ばしている。
17年と18年の業績を比べると営業利益と経常利益は足踏みをした感があるが、19年の決算予想は共に10億円近い増益予想と自信を伺える。
そして何より重要な当期利益は安定的な増益で安心感がある。
予想配当利回りは4%超え
長期投資では絶対に無視できない配当金であるが今年12月の配当金は1株あたり80円と予想されている。
予想の利回りは4.18%である。
倒産寸前でもない限りこれだけでも投資に値する。
業績に比例するように増配している企業なので今年の配当も期待できそうだ。
詳しいファンダメンタル分析は四季報でテクニカル分析
長期の目線

ここ2年の日足チャートを見てみると水平の下値抵抗線と上値抵抗線に挟まれる形で株価が推移している。
過去2度抵抗線を突き破って下に抜けているがすぐに戻ってきていること、最近でまた下に抜けたが前回の安値を割ることなくパーティション内に株価を戻したことを考えるとテクニカル的に見て底堅いと言える。
ロスカットを設定する場合は9月3日の安値割れあたりに設定するのが良いだろう。
短期の目線

寄って直近4か月の日足チャートを見てみると長期で見た時の上値抵抗線に加え、5月の高値から引ける斜めの上値抵抗線と2500円あたりに大きな売買高があり、この辺まで株価が上昇すると大きな戻り売りが予想される。
短期的な売買で見るなら9月3日の安値割れにロスカットを設定し、価格帯別売買高の心理的抵抗線と上値抵抗線の重なる2500円近辺を利益確定目標に設定するトレードが良さそうだ。
長期の視点で見れば、これら抵抗線を突破してからが本番である。
【2124】JAC Recruitmentの総評
テクニカル、ファンダメンタルの双方から割安と言える銘柄だろう。
さらに過去の業績も優秀であることに加え、増益予想も揺るぎない。
懸念があるとすればPBRの高さだろうか。
JACRのPBRは1倍割れが割安の目安とされるなか、5.69倍と非常に高い。
見る人が見ればかなり割高な銘柄と判断するだろう。
テクニカル面では抵抗線の多さが気になる。
特に長らく支持されている長期の上値抵抗線と価格帯別売買高が重なっている2500円付近はかなりの売り圧力が働くだろう。
今後上昇していくにしてもこの2500円近辺では相当にもたもたしそうだ。
短期志向が強い人であれば別の銘柄に目を向けたほうがいい。
長期投資の人は配当金を受け取りながら値上がりするのをゆっくり待てば構わない。