コラム

高野連は直ちに球数制限を導入せよ

第101回全国高等学校野球選手権大会の岩手県大会決勝が25日に行われた。

”令和の怪物”佐々木郎希有する大船渡高校と菊池雄星や大谷翔平などを輩出した岩手の名門、花巻東とで争われる決勝戦となった。

大船渡高校はエース佐々木郎希を温存。右腕の柴田が先発登板したが結果は12-2の大敗で花巻東が甲子園出場を決めた。

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なぜ勝てば甲子園という決勝の舞台でエース佐々木を温存したかというと今大会でエース佐々木はすでに435球を投げており、関係者からは”投げ過ぎだ”との指摘があった。

また、佐々木本人が試合前に肘の違和感を訴えていたこともあり、大事をとっての先発回避だったと思われる。

この決勝戦でエースを温存するという監督の判断に対し賛否両論が巻き起こっている。

まずは将来ある佐々木投手のことを考えた英断であったとする意見。

佐々木投手は「令和の至宝」とまで言われる投手。

甲子園は高校球児にとって夢の舞台だが彼にとっての野球人生はまだ始まったばかりだ。

もちろん本人は全力だ。ここで壊れても構わないという気持ちで投げるだろう。

だがここで壊れていいわけはないので監督が冷静でなければならない。

そんな投げさせてやりたいが将来を考えて登板を回避させた國保洋平監督の決断は英断であったと賛辞する声は多い。

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一方で「他の選手たちの夢も犠牲にするのか」、「甲子園に行く気はあるのか」などの非難の声も目立った。

佐々木投手は素人から見ても逸材のピッチャーだ。野球の技術などわからなくても160km/hの速球が投げれる投手がそういないことはわかる。

彼に不幸な事故がない限り、ある程度の野球人生が約束されているわけだが他の選手たちはそうではない。

大学や社会人で野球を続ける者も中にはいるであろうが、ほとんどの選手はこの夏の大会をもって引退となる。

高校野球最後の夏を「エースの都合」で奪っていいのかとの意見がある。

また、決勝戦では佐々木投手の勇姿を一目見ようと多くの一般人がつめかけた。

彼らの目的は試合そのものではなく佐々木投手一人だ。さぞ落胆した人が多かっただろう。

中には心無い野次も飛んだようだ。

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決勝で佐々木投手を温存した理由について國保監督は

「投げなさいと言えば投げられたと思うが、その判断はできなかった」

と話しており、登板回避は最後まで悩んだ難しい判断だったのだと推察できる。

このように現在の高校野球は難しい投手管理をいち教育者に過ぎない監督に丸投げしている状態だ。

今回、佐々木投手を気遣って登板させなかったことに対しても監督として「無能」だと誹謗中傷するものがいるし、仮に登板させて怪我でもさせていたらそれこそ今回とは比べ物にならない非難が監督に集中していただろう。

また、私には高野連がなぜここまで球数制限の導入を渋るのか理由はわからないが球数制限を導入しないとして今後佐々木投手のような将来有望な投手が投げ過ぎで将来を奪われた時、それでも球数制限は導入しないと言えるのかということだ。

恐らく、そのような悲劇が起これば高野連はすぐさま球数制限を導入するだろう。

犠牲者が出なければルールは変えない。

だが犠牲者が出ればすぐさまルールは変える。

そんな信念のないルールならば犠牲者が出る前にルールを変えろと私は思うのだ。

”絶対にケガをさせられない”という状況の中、「肘に違和感がある」と申告されれば投げさせないのが当然だ。

しかしチームのことを考え、最後まで判断に迷ったところに國保監督の素晴らしさがある。

このように勝敗以外のところで神経をすり減らす監督と選手の負担を軽減するためにも球数制限の導入が大切である。

ルールがなく、投げさせるも投げさせないもすべて監督の裁量にゆだねられているからこんな問題が生じるのであって、”何球以上投げた場合は中2日置かなければならない”などのルールを作ってしまえば監督や選手がくだらないことで頭を悩ませる必要がなく、ルールの中でいかに勝つかということに集中できる。

また、野球は投手に大きく依存した特殊なスポーツだ。

チームのレベルが低くとも点を取られない絶対的エースが存在すれば理論上負けることはない。

チームスポーツでありながら投手個人の力量が勝敗に大きく影響するのである。

そのため、プロと違い選手層の薄い高校野球では一人のエースピッチャーを酷使しないとなかなか勝ち上がれないという構造上の問題がある。

球数制限を導入すればこのような投手一人に依存した試合が出来なくなるため、チームスポーツとしての側面も強まるし、戦術の幅が広がる。

例えば、エースピッチャーを相手にする場合はあえてヒットは狙わずファールに徹するなどだ。

球数制限いっぱいまで投げさせてエースを降板させてから本番。なんて戦術も生まれるだろう。

球数制限の導入は選手や監督たちの無用な憂いを取り除くだけでなく、エースピッチャーを要さない打撃のチームにも可能性を与えるのだ。

かつてプロ野球が先発完投型の野球から先発→中継ぎ→抑えの分業制に変革したように高校野球にも変革の時が来ている。

願わくば犠牲者が出る前にその時を迎えてほしい。

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