家庭用の照明には一般的に電球色、昼白色、昼光色の3種類が存在する。
昼白色と昼光色は太陽光の光に近いのでそんなに気になることはないが電球色は場合によっては気になることがある。

電球色はこのようにオレンジがかった色合いになる。
写真としての見せ方としては味のある良い写真になる時もあるが、白いものがこのようにオレンジになってしまうので不都合が生じる場合がある。
今回はこのように照明や日光などの意図せぬ色の偏りが生じてしまった場合に、Photoshopのレンズフィルターを調整して色の偏りを修正する方法を紹介したいと思う。
Photoshopのレンズフィルター

レンズフィルターとは文字通り、カメラのレンズに装着するフィルターのことである。
色付きサングラスと同じで装着すれば色合いを変えて観ることが出来る。
photoshopのレンズフィルターはまるでレンズフィルターを装着して撮影したかのように、撮った写真を加工する機能だ。
レンズフィルターの使い方

レンズフィルターを使いたい画像をPhotoshopに取り込んだら上のメニューバーのウィンドウをクリック。
ウィンドウのメニューからレイヤーを選んでクリックする。

右端にレイヤーが表示されたらレイヤーパネルの下にあるこのマークをクリックする。

一覧からレンズフィルターをクリックする。

レンズフィルターをクリックすると右端にレンズフィルターの属性パネルが表示されるようになる。
フィルターと書かれた場所をクリックすると使えるレンズフィルターの一覧が表示される。
例えば一番下のブルーを選択すればブルーのレンズフィルターを付けて写真を撮ったように、全体が青っぽく加工された写真になる。

今回の写真はオレンジっぽく、暖色系の写真なので寒色系のレンズフィルターを選択し、中和を試みる。
赤枠で囲ったスライダーを動かすことでフィルターを強くしたり、弱くしたりすることが出来る。
因みに今は25%の寒色フィルターがかかっている。
元の写真と比べると若干オレンジが緩和されているのが分かる。
だがこれでもまだ全体がオレンジっぽいのでフィルターを強めてみる。

適用量を90%まで上げてみたところオレンジっぽさは消えたが寒色系が強くなり、今度は全体が青っぽくなってしまった。
どうやらこのフィルターではうまくいかないようなのでフィルターを変えてみる。

なお、操作をやり直す場合はこのマークをクリックすると編集する前の画像に戻すことが出来る。

先ほどは寒色系(80)のフィルターを付けたが、今度は寒色系(82)のフィルターを付け、適用量を62%まで上げてみた。
すると電球色の照明によってオレンジっぽくなっていたものが見事に中和され紙本来の色に近い白を取り戻すことが出来た。
見比べてみると若干の違いがあるものの、違和感のないレベルで編集できた。
レンズフィルターの応用
照明や太陽光などで意図せぬ色の偏りが生じてしまった時に使えるレンズフィルターだが、正しい色合いをあえて加工するという使い方もできる。

例えば先ほど例で使ったこの写真。
四季報という投資に使われる情報誌であるがこれを寒色系のフィルターをかけてみると…

”今週の投資結果は…”
などというタイトルでこの写真を使ったらどうだろうか。
喜ばしい結果がもたらされると想像する人はいないだろう。

また、こちらの風景写真。
実際には今年の8月に撮影したものだが暖色系のレンズフィルターで加工すると…

なんとなく古い写真のような味を付けることが出来る。
今回のまとめ
暗いものを明るくしたり、いらないものを消したりするような編集と異なり、レンズフィルターは処理をした後どのような写真なるのか想像が難しい。
したがって実際フィルターをかけてみないと分からない。
元の色に戻すのにすごい時間がかかってしまったということもあるが、逆に言うとどうなるかわからない面白さもある。
もしボツにしようと思っている写真があったら消去してしまう前に一度レンズフィルターを使ってみると思わぬ写真が出来上がるかもしれない。