カメラは光を取り込む装置なので撮りたいものに光を当てるというのは言ってみれば当然だ。
だが、光を当てるということは影ができるということでもある。
どこに影を作るか、どこに光を当て明るくし、どこを暗くするかで被写体の印象は大きく変わってくる。
今回は光の当てる方向で被写体の印象がどのように変わるか学んでいく。

真正面からのライティング。
最初に撮影したのだがこれが一番難しかった。
正面にライトを置いた場合、カメラと自分自身が邪魔になるのだ。
ライトを前に出してしまえばライトが写ってしまうし、後ろからだとカメラと私の影が写ってしまう。
丁度いいセッティングが大変だった。
さて、正面からのライティングだが教科書では「平面的になる」とあるが影がくっきり出ているせいか、平面的な印象は受けない。

続いては正面から少しずらし、斜め前45度からのライティング。
ほぼ同じだが正面のときより縦長に伸びる影が美しい。
フィルターを使って光をオレンジ色にしたら夕日のようになお美しく演出できたかもしれない。

次は真横からのライティング。
光と影。陽と陰。そんな感じで被写体の二面を同時に写し出しているような印象を受ける。
この写真だけで見るとなんでこんな光の当て方したんだと突っ込まれそうだが、被写体次第では素晴らしい演出になるかもしれない。

光に照らされる部分よりも影で暗くなっているところのほうが多くなった。
影というのはなんというか…背中で語る感じがある。
何の変哲もない被写体でも影をつけるだけで何か意味ありげな感じが漂うというか…
今の所うまく使えそうにないが影の使い方をマスターすればレベルが3くらい上がりそうである。

真後ろからのライティング。
光があたっているのは反対側なので被写体の殆どは影になってしまい、もはやシルエットに近い。
最も被写体が写せていないライティングだが、ここまでくっきりした表現になると逆にこの方法で何か表現できないかと考えてしまう。
正攻法では瓶やガラスなど透明感を表現したい時に向いているようだ。

最後はみんな大好き、真上からである。
こちらも室内照明ではなく、ライトを手で持って真上から照射した。他の条件と一緒である。
何という安心感だろう。東京タワーを一番東京タワーしている。
やはり影、というものは扱いが難しい。
殆どのアマチュアカメラマンがライティングなどせず室内の上からの光で撮影をおこなっているように、基本は影を作らないほうが被写体をそのまま表現することが出来、簡単なうえ、失敗も少なそうである。
何かこう、被写体だけではインパクトに欠ける…と感じた時にこのような大胆なライティングで影を作ると新たな印象を作ることが出来るかもしれない。
とりあえず今回の撮影では真上から光を当て、正面が若干暗くなってしまっているので軽めの光を正面から補助光として当ててやれば良い写真になりそうだ。
次はメイン光と補助光について勉強する。
おまけ

ちなみにだが真下からライティングするという必殺技もある。
こんな発想はまったくなかったがなるほどと思った。
こんなことならテーブルはガラスかアクリル製、いずれにせよ透明なテーブルを買っておけばよかったと若干後悔している。