Photoshopには明暗調整機能や色相調整機能など便利なツールが沢山存在する。
だがこれらのツールは画像全体に影響を及ぼすのでうまくコントロールできないことがある。

特に色相調整は色を180度変えることが出来るの素晴らしい昨日なのだが、画像すべての色調を変えてしまうので使える場面が限定されてしまう。
そこで役立つのが「範囲選択」である。
範囲選択は画像の指定された部分を独立したレイヤーとして分離することにより、範囲選択した部分だけを加工することが可能になる。
ではいくつかの範囲選択の例を紹介し、画像の一部分だけ加工してみよう。

これはストックフォトサービスから拾ってきたフリーの画像だ。
この画像のビー玉の色を変えたいとする。
だがそのまま色相調整を行うと……

このようにビー玉以外の色も変わってしまう。
これはこれでなかなか幻想的でいい画像に仕上がったが…必ずそのようになるわけではないので今度は範囲選択をしてビー玉だけ色を変えてみる。

まずは左のツールバーから楕円形選択ツールを選ぶ。

するとマウスカーソルがこのように十字のものに変化し、範囲指定が出来るようになる。

カーソルが十字になった状態でマウスをドラッグすると範囲が指定できる。
マウスを離した時点で指定範囲が決定するのでドラッグしながら範囲の広さを指定する。

なお、楕円形選択ツールは文字通り楕円状に範囲指定するツールだが、shiftキーを押しながらドラッグすることで正円に範囲指定することが出来る。
この場合、範囲指定したいビー玉が球状なのでこの方法で範囲を指定するとやりやすい。

大まかな範囲を指定出来たら指定範囲を編集したいビー玉に重ねる。

だがよく見ると範囲指定されている場所はビー玉より広くとられている。
このまま色相調整を行うと余白の部分の色も変わってしまうので明らかな「加工しました」という不格好な画像になってしまう。
したがってなるべくビー玉だけを選択範囲に入れるよう、微調整する必要がある。

指定した範囲の微調整を行うには上のメニューバーから
選択範囲→→選択範囲を変更
と選択する。
今回は指定したいビー玉より範囲が大きいので縮小をクリックする。
とりあえず20ピクセル小さくしてみる。

指定範囲がちょうどいい大きさになったので今度は指定範囲を綺麗にビー玉に重ねる。

これでかなり綺麗に選択できた。
まだ気に入らなければ同じ工程で1ピクセル単位で調整できるのでかなり正確に調整できる。

この状態で新規レイヤーを作ることで選択した範囲だけの独立したレイヤーが出来上がり、選択範囲だけの調整が可能になる。
今回はビー玉の色を変えたいのでこのまま上のメニューバーから
レイヤー→→新規調整レイヤー→→色相・彩度
と選択してレイヤーを作る。

すると右側に色相・彩度を調整するパネルとレイヤーのウィンドウにビー玉だけを選択したレイヤーが作られていることが分かる。
後はこのレイヤーがアクティブになっていることを確認し、出したい色に色相を変えるだけである。

完成した画像がこちら。
周りの背景には影響を及ぼさずビー玉の色だけを変えることが出来た。
規則性のある円形であればこの楕円形選択ツールで綺麗に編集できるはずだ。