
物撮りの際、被写体の写りを良くするために欠かせないライティングだが、一方方向からだけ強い光を加えるとこのように反対側に影が出来てしまい、何やら意味深な印象を与えぬいぐるみの可愛さがいまいち伝わらない。
影をあえて付けて”演出する”という場面もあろうが基本的には影はないほうがいい場合が多いようだ。
したがってこのような物撮りの際はメイン光によって出来た影を消すための補助光と加えてやることでメイン光によって出来た影を消し、全体を明るくするのが基本となる。
今回はそんなメイン光と補助光について学んでいく。
前回の記事では光の当てる方向で被写体の印象が変わるという話をしたが、どの方向から光を当てても結局影が出来てしまうのでなんとなく怖い印象や意味ありげな写真になってしまっていた。

一番キレイと言うか自然に取れたのは影が出来ない真上からのライティングである。
だがこの場合、正面部分に光があたっていないため、暗くなってしまっている。
この暗さを解消するために斜め前から軽い明かり、補助光を足してやる。

するとどうだろう。正面の暗がりが見事に解消され全体が明るく映し出されている。
これが補助光の効果だ。
そして補助光を当てる時のポイントは弱い光や優しい光を作ることである。
先ほどと同じように真上からのライティングである。
展望台のあたりの面積が大きいせいかタワー全体が影になっていてとても良い写真とは言えない。
暗くなっている部分を明るくするため補助光を足してやるわけだが……

このように補助光が強すぎると補助光によってまた新たな影が出来てしまっている。
全体の明るさはメイン光によって確保できているので補助光はあくまで影を消す、暗くなっているところに光を足す程度の弱い光で良いのだ。

弱い光といえばこのようなレフ板を使ってメイン光の反射をそのまま補助光として活用する方法もある。


だがやはり反射であるため、補助光を使うよりは光量が足りない。
これは白いレフ板を使っているがメイン光のみの場合と比べて若干影が軽減されているのがわかるだろうか?
もうちょっとだけ明るくしたい!だけどわざわざ補助光を使うと明るくなりすぎちゃう!というような”かゆいところに手が届かない”時に使うのが良さそうだ。
これは被写体が大きく、影も大きいのでレフ板だけでは光量が足りていない。
ライティングによる補助光でしっかり光を足してやるほうが良いだろう。

より光を反射する銀のレフ板を使うと白のレフ板より明るくなった。
プロの間では「光をまわす」と表現するらしいがほんとうに僅かな光の調節を行いながら適切なライティングを作り上げているのだろう。
私の場合は構わずガンガンライトを当ててしまいそうである。

今回はライティングについて学んだわけだが感想として初心者には難しすぎると感じた。
というか覚えようとする私の姿勢がいけないのかもしれない。
ここに影を付けて演出しようだとか、ここらへんに強い光を当てて強調しようだとか撮影する前のイメージは私には出来ない。
だがとりあえず撮ってみて「ここが少し暗いな…」などは思うわけでそう思ったら単純にそこに光を足してやればいい。
影をどう使ったらいいのかだとか、レフ板はどういう時に使えばいいのだとか初心者の私が考えるべきレベルの話ではないのかもしれない。
ただ光の当て方を試行錯誤するのは非常に楽しかった。