ここまで絞り、シャッタースピード、ISOなどのカメラの基本的な機能について学んできたわけだが、ここで簡易スタジオを作る目的でもあったライティングについて学んでいこうと思う。
ライティング(lighting)とは光の調整である。
シャッタースピードや絞りを操ることもカメラに取り込む光の量を調節するわけだから厳密にはライティングに含まれるのかもしれないがここでのライティングは物理的な光の調整である。

写真は同じものを撮るにしても光の当て方一つで大きく印象を変えることになる。
まだまだ右も左も分からない新米カメラマンであるのだが、ライティングは物撮りをマスターする上で最重要スキルだと踏んでいる。

そんなこんなで空き部屋をわざわざ簡易スタジオにしたのは照明器具を多く使うライティングを学ぶために他ならない。
ただ私が学びたいのは小物類を美しく撮る物撮りで、そこまで大掛かりなセットは必要ないと考えていた。

そんな貧乏根性丸出しで設備を揃えた結果、やたらにでかいスタジオボックスとやたらに小さいテーブルという非常にアンバランスなセットになってしまった。

これでは側面から強い光を当てるだけの設備で、ともて撮影のためのライティング設備とは言えない。
そこで今回、満を持して秘密兵器を投入することにした。

この日のために寝かせておいた撮影用ライティングセット一式である。
さっそく開封してみる。

ダンボールの中にはダンボールと同じ大きさのゴルフバッグのようなものが出てきた。
これで持ち運びが出来ますよといいたいのだろうがかなり重い。
出来ればこのセットを持って外出するようなシチュエーションは避けたい。
中の物を全部出してみる。

ライトが4つ。そしてそのライトを使うための三脚が4つ。
あとは背景を消すためのクロマキー用の三脚も2つ、ついている。
これガチのやつじゃね?と思われた方もいるかも知れないが実はこれだけついて12990円とかなり安い。
ガチなアイテムだが価格はガチでないのである。

さっそくセッティングしてみた。
これでこそ自由なライティングと言えよう。
四方八方どこからでも光を当てることができる。
面白くなってきた。

唯一不満があるとすればそれは照明がLEDでなかった点だ。
部屋は空き部屋をそのまま活用しているのでエアコンなどはない。
ただでさえ暑いこの部屋で証明を焚くと簡易サウナの出来上がりである。

設置に二時間ほど作業したらパンツが絞れるという貴重な体験が出来た。
走り回っていた学生時代にも経験できなかったことがまさかこんなタイミングで経験できようとは……。

ちなみに一回り小さい撮影ボックスも購入しておいた。
あのバカでかい撮影ボックスで麻雀牌のような小さな物を撮影すると光が届かないことがあるからだ。
撮影するものに合わせて適切な大きさの撮影ボックスが必要なのだ。

というかもうこんだけ設備揃えちゃったらもはや撮影ボックスいらないんじゃないかとも思えてくるが考えないようにしたい。
無くて困ることはあってもあって困ることはないはずだ。
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