コラム

You Tubeの成功とニコニコ動画の失敗【なぜニコニコドウガーは存在しないのか】

今週のお題「わたしの自由研究」

ユーチューバーという言葉が定着してずいぶんになる。

この言葉が認知されるきっかけは確か小学生のなりたい職業ランキングで上位になったことでマスメディアが取り上げたことがきっけだったと思う。

しかしユーチューブだけで食べていけるのは全体のわずか1%という狭き門だ。

まさにプロスポーツ選手と同じで夢の職業であり、一般的な子が目標とするような職業ではないだろう。

ユーチューバーの収入源は広告収入である。自身の動画やページ内に広告を載せることで再生数に応じた報酬が受け取れる仕組みだ。

したがってたくさんの人に再生してもらいたくさんの人に見てもらえばもらうほど収入は増えるわけだ。

しかし今日、ふと疑問が生じた。確かに今やユーチューブは世界が周知する動画共有サービスだが、こと日本においてはユーチューブよりニコニコ動画のほうが先にブレイクした気がするのだ。

特に動画共有サイトがアニメやドラマなどを違法にアップロードするツールだとしか思われていなかった時代でも高度な演奏技術を用いてゲーム音楽をアレンジして演奏したり、高い技術でふざけた装置を開発するなどといたクリエイティブな動画を上げる人たちが「才能の無駄遣い」だと讃頌されていたのを覚えている。

それなのにも関わらずなぜユーチューバーは生まれてニコニコドウガーは誕生しなかったのだろうか。

まず大前提としてだがニコニコ動画でも広告収入を得ることは可能である。

dic.nicovideo.jp

収入を得る仕組みに若干の違いはあるもののユーチューブの「YouTubeパートナープログラム」と大差はない。

開始された時期も2011年と、ユーチューブのパートナープログラムが一般開放された時期とほぼ同じだ。

それなのにも関わらず動画の広告収入で稼いでいる人は圧倒的にユーチューブが多い。

なぜこのような差が生じてしまったのか。考察してみた。

Youtubeとニコニコ動画では収益化戦略に決定的な差があった

これらのサービスはビジネスとして行われている。

どんなに人気を集めようとも収益化出来なければビジネスとしては失敗だ。

サービスを運営するのにスタッフに給料を支払わなければならないし、配当金を出さなければ投資家も離れていく。

ニコニコ動画の収益化戦略

ニコニコ動画は基本、無料で視聴できる。

だがこれでは利用者から喜ばれることはあっても収益化は出来ない。

そのためニコニコ動画は収益化の手段としてプレミアム会員を作った。

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基本、無料で視聴することが出来るが有料のプレミアム会員と明らかな差を作った。

このような有料会員特典は一度お試し加入をしてみて、違いを実感することで本登録をするかどうかを決めるのが一番良い方法なのだが、ニコニコ動画の場合、無料会員への制約が非常に大きい。

まず、混雑時の画質の劣化であるが、ゲーム実況動画などでは文字が読めなくなるほどの劣化が起こる。ほとんどモザイク放送を見ているような感じである。

生放送などにおいても、人気の放送からは頻繁に追い出されるし、こまめにプレミアム会員限定放送に切り替えられたりするので、日常的にニコニコ動画を楽しもうと思えば、無料会員のままでは到底楽しめない。

プレミアム会員の登録は必須と言っていい。

このように、無料会員に極端な利用制限を設けることで、ニコニコ動画はプレミアム会員への移行を促し、収益化を図ったのである。

Youtubeの収益化戦略

一方のYou Tubeも基本、視聴は無料である。そしてニコニコ動画と同じように、有料のプレミアム会員が存在する。

www.youtube.com

だがニコニコ動画と決定的に違うのは有料会員にならなくてもストレスを感じること無く動画を視聴できる環境が維持されているところにある。

視聴している最中にポンポンと現れる広告動画は煩わしく感じるが、月1180円払ってまで消したいと考える人は稀であろう。

ニコニコ動画のように極端な画質低下や、いいところで嫌がらせのような会員限定放送に切り替わることもない。

提供されるコンテンツに違いはあれど、動画共有サイトを無料でストレスフリーで見られるのと、有料でないとストレスフリーで見られないサービスがあれば、単純に無料のほうが選ばれるのは当たり前のことである。

このように、You Tubeは有料ではないと満足に視聴できないニコニコ動画からシェアを奪っていったのではないかと推察している。

だがすでに述べたように、どんなにユーザーに満足されようとも収益化出来なければビジネスとしては失敗である。

You Tubeはいかにして収益化したのか。

You Tubeが行ったのは企業からの広告収入である。

財布の紐の硬いユーザーからではなく、お金を持っている企業の広告を掲載し、収入を得ることで、ユーザーからの収入に期待すること無く、サービスを提供する環境を構築することに成功した。

また、動画を提供するクリエイターに対しても再生回数に応じて広告収入の一部を支払うことでユーザーの満足度の高い動画を作成することを促すことも出来ている。

クリエイターは再生回数を稼げれば収入が増える。

ユーザーは満足いくコンテンツが増えることでさらに利用する、増える。

広告主は沢山広告が再生され、沢山宣伝できてハッピー

このようにウィンウィンな関係を築けたことが成功の要因と言えるだろう。

一方のニコニコ動画は収入の柱をユーザーからの会員費に傾けた。

私のように、ニコニコ動画を愛するコアユーザーはお金を払って見るのだが、何の愛着もない人は無料で見れるYou Tubeに流れていく。

動画を提供するクリエイティブな人材も、稼げないニコニコ動画ではなく、You Tubeに動画をアップするようになる。

このような負の連鎖にハマってしまったニコニコ動画は年々会員数を減らし、苦境に立たされている。

先見の明によっていち早く動画共有サービスの需要を見出したニコニコ動画であるが、収益化に失敗した。

You Tubeは、少なくとも日本においては後発であったが、収益化に成功した。

収益化に成功すると営業せずとも勝手にスポンサーは現れるし、儲けたお金でさらに設備投資し、サービスを拡充、さらに収入が増えるという好循環が発生する。

一方、収益化に失敗するとスポンサーが離れていく、収入がないのでサービスをアップデートできない、維持出来ない、と泥沼になっていく。

収益化というのは自分の懐を温める以外にもサービスを維持・提供、発展させていくうえでも非常に重要なのである。

ニコニコ動画で青春を謳歌した私としてはこの現状は非常に寂しい。誰かYouTuberではなく、ニコニコドウガーになってくれる優秀なクリエイターはいないだろうか。

そして日本は資金力ではなく、発想力で勝負してきた国だ。

ニコニコ動画の新たな試み、活躍にも若干の期待をしている。

頑張ってほしい。

おまけ

最近人気のマリオメーカーであるが、このゲームは絶対にニコニコ動画の自作の改造マリオを友人にプレイさせるからヒントを得ている。

この動画がアップロードされた頃は任天堂の申し立てで動画が削除されていたがこのアイディアでしこたま儲けた任天堂は動画製作者にいくらかの謝礼を支払ったのだろうか。

著作権があるのは承知しているがもし一銭も支払われていないのだとするとなにか汚い企業だと感じてしまう。


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